入れるか判定|ケアマネに「無理」と言われたら
「要介護2では特養は無理」「同居している家族がいるから難しい」と言われることがある。 そのとき知りたいのは、申込み自体ができないのか、 申込みはできるが優先度が低いのか、 別の種別なら申し込めるのかの3つのどれか。ここを分ける。
このページの要点
- 特別養護老人ホームは要介護3以上が原則。要介護1・2は「特例入所」に当たるかどうかを自治体が判断するので、「申し込めない」と「対象外と判断された」は別のこと。
- 老健・介護医療院は要介護1以上だが、治療の必要の程度について国の定めがあり、施設の医師の判断が入る。
- グループホームは「認知症であること」が法律上の要件で、原則としてその市町村の住民が対象。
- 介護保険の施設ではない住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅は、要介護認定の結果を待たずに契約できる場合がある。全国の特養申込者は206,479人(要介護3以上・2025年4月1日時点)。
判定(上から順に)
Q1. 要介護認定は出ているか
出ていない → 介護保険の施設(特養・老健・介護医療院・グループホーム・介護付)は、いずれも要介護認定が前提。 まず申請する。結果は申請から原則30日以内。 退院の期限がある場合は残り日数からの逆算を先に見る。
出ている → Q2へ。
Q2. 要介護度はいくつか
要支援1・2 → 介護保険の施設サービスは対象外(施設サービスの定義が「要介護者」に限られている)。 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅など、介護保険の施設ではない住まいが選択肢になる。
要介護1・2 → 特別養護老人ホームは原則の対象外で、特例入所に当たるかどうかを自治体が判断する。 申込み自体を受け付けない自治体・施設もあれば、申込みは受けて特例入所の審査に回す運用もある。 断られたとき、どちらだったのかを確かめる。老健・グループホーム・介護付は要介護1から対象になりうる。
要介護3・4・5 → 特別養護老人ホームの原則の対象。Q3へ。
Q3. 認知症の症状(徘徊・昼夜逆転・介護への抵抗など)があるか
ある → グループホーム(認知症対応型共同生活介護)が対象になる。法律上「認知症であること」が要件。 ただし地域密着型なので、原則としてその市町村に住んでいることが条件になる。 名古屋市内には206か所ある。
症状が重く、医療的な対応が要る → 急性期の疾患がある場合、グループホームは法律上の対象外(原因疾患が急性の状態にある人を除く、と定義されている)。Q4へ。
Q4. 医療的な処置(たん吸引・経管栄養・在宅酸素・インスリン注射など)が要るか
要る → 老健・介護医療院が視野に入る。どちらも「治療の必要の程度」について国の定めがあり、 施設の医師が判断する。介護医療院は長期の療養が必要な人が対象。 特養・グループホーム・民間でも受け入れる施設はあるが、看護職員の配置時間によって施設ごとに違う。 これは公表データからは分からないので、施設に直接確かめるほかない。
要らない → Q5へ。
Q5. 同居している家族がいるか
同居は、特別養護老人ホームに申し込めない理由にはならない。 法律にも厚生労働省の定義にも、同居家族の有無を入所の要件とする規定は無い。 ただし各施設・自治体が入所の優先順位を決める際の判断材料にはなりうる。 厚生労働省の調査でも、申込者は「在宅の方」とそれ以外に分けて集計されている (全国の申込者206,479人のうち在宅が85,964人)。 「同居だから無理」と言われた場合、それは制度上の可否ではなく優先順位の話である可能性が高い。
施設種別ごとの条件(まとめ)
| 施設種別 | 申し込める条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 名古屋市内 126か所 | 要介護3以上が原則。要介護1・2は「特例入所」に当たるかどうかを自治体が判断する。 | 厚生労働省の入所申込者調査は、要介護1・2の申込者を「特例入所の対象」として要介護3以上と分けて集計している。 https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/001620895.pdf |
| 介護老人保健施設(老健) | 要介護1以上。心身の機能の回復を図り、居宅での生活に戻れるようにする支援が必要な人が対象で、治療の必要の程度について厚生労働省令の定めがある。 | 介護保険法第8条第28項の定義。医学的管理の下での介護・機能訓練・医療を行う施設と定められている。 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 |
| 介護医療院 | 要介護1以上で、主として長期にわたり療養が必要な人。治療の必要の程度について厚生労働省令の定めがある。 | 介護保険法第8条第29項の定義。療養上の管理・看護・医学的管理の下での介護を行う施設。 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 |
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 名古屋市内 206か所 | 要介護者であって認知症であること。認知症の原因となる疾患が急性の状態にある人は対象外。地域密着型のため、原則としてその市町村の住民が対象になる。 | 介護保険法第8条第20項の定義。 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 |
| 介護付有料老人ホーム等(特定施設入居者生活介護) 名古屋市内 123か所 | 特定施設に入居している要介護者。要介護度による下限は法律の定義には無く、施設ごとの受入基準による。 | 介護保険法第8条第11項の定義。 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 |
| 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 | 介護保険の施設ではない。入居の条件は施設ごとに決まっており、要介護認定の結果を待たずに契約できる場合がある。介護は外部の事業者と別に契約する。 | 介護保険法の施設サービスの定義に含まれない(第8条)。名古屋市は市内の有料老人ホームの一覧を公表している。 https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/kaigo/charge/ |
ここに書いたのは制度上の対象かどうかだけ。 実際に入れるかどうかは、空きがあるか・その施設の受入基準に合うかで決まり、それは公表されていない。 当サイトが判定できるのはここまでで、個別の可否は自治体・施設・ケアマネジャーが判断する。
次に見るもの
- 都道府県別・名古屋16区別の特養の申込状況|申し込めるとして、どのくらい溜まっているか
- 名古屋市16区の施設一覧|種別ごとに何か所あるか
- 月額はいくらか|要介護度と課税/非課税で出す
- 紹介センターに必ず聞く5つの質問
出典
- 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条(定義)
|https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
|取得日: 2026-09-22
加工: 各施設サービスの定義から、対象となる人の条件にあたる部分を要約した。条文そのものは転載していない。 - 厚生労働省 老健局高齢者支援課「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」 (2025(令和7)年4月1日時点) |https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/001620895.pdf |取得日: 2026-09-22
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム オープンデータ (2026年7月9日公表分) |https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/jigyosho_320_all_20260709180609.csv |取得日: 2026-09-22
当サイトの数値は上記の公表データを編集・加工したものです。国・自治体が作成したものではありません。 誤りを見つけた場合は訂正・削除のご依頼からお知らせください。
制度の適用可否は区役所・市役所で確認してください。当サイトの数値は国が告示した全国一律の額と、名古屋市が公表した値をそのまま並べたものです。個別の可否・申請の受付は自治体が判断します。